起業するということ。こんな苦労が①

2016.06.04

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元々私は航空会社で11年間会社員をしていました。退社後は研修講師として独立し、学生の就労支援や企業での研修をしていました。化粧品製造はまったく!!未知の世界です。

素人だった私はまず〈リップは自分で作って販売することができない〉ということを理解するところから始まりました。次に OEM会社というところがあって、そこにレシピを伝えて作ってもらうことができる!と道を見つけました。畑違いの素人だと自負していましたので、まずは相手にしてもらえるOEMの会社を探すところから始まりました。コネやツテはなく、すべてネット検索で体当たりです。このころは何もわかっていなかったので、とにかくミニマムロット(最低注文数)ができるだけ少なくて、優しく対応してくれる会社を探していました。リップクリームの製造経験があればそれでいいと思っていました。でも、なかなか見つけられない!! 小ロットということが大きなネックになっているのですが、大きな会社はさすがに相手にしてもらえないだろうとアプローチさえできませんでした。

そんな中、小ロット対応・いろんな機械も揃っていて製造後の包装も色々と対応してくれそうな会社を見つけ、「24時間以内にご返信します」のような文言もあったことから、まずはメールで問い合わせをしました。初心者にも丁寧に教えてくれる手順があるようです。HP上で会社を見る限り、私にとっては願ったり叶ったりの会社に思えました。

ですが、お約束の24時間以内に返信がない。。あれ??48時間待ってもない。。あれ??  1週間くらい待ってみましたが、ない!! お電話しました。「担当者が不在です」です。(用件だけでも聞いておきましょうか、折り返しましょうか)といった配慮は皆無でした。やむなく「またお電話します」で受話器を置きました。最初のアプローチはこんな感じでした。再度かけても「不在です」それだけ。2回目はちょっとだけ粘ってみました。「私メールで問い合わせしたんですが、返信をいただけずお電話しています。この件で相談したいので折り返しお電話お願いできますか?」ねじ込みました。 だけど、折り返しの電話がない。2日待っても3日待っても、無い(T-T)心折れるし、もういいやと思います。ですが、他の会社を探すのも難しい思いがあって、「ダメ元だー」と1週間後に電話をしてみました。意外なことに担当者が電話に出て、サクサクと要望を聞いてくださいました。この会社の場合、営業の担当者兼、会社の社長さんでした。お話の感じでは、田舎の人のいいおじちゃん(失礼ですが!)といった様子でした。私の立ち位置を説明した上で、やりたいこと(レシピが決まっていて、この内容でリップを作りたい)を「あーなるほどねー。いいですよー」といったふんわりした雰囲気です。メールバックもコールバックもいただけなくて、(なんなのよーヾ(*`Д´*)ノ゙)と思っていたのですが、〈現場に出ていてお忙しかっただけなんだなー〉ということがわかりました。

その後、何度もやり取りが必要になるのですが、やはり電話に出てもらえない、メールの返信がない。ということに大きく変わりはありません。(嫌とは言わなかったけど、やっぱり素人相手に面倒だと感じているのかなー)と思ってしまいます。。連絡が取れない時期が重なると〈わたしからの電話は絶対に取りつがないように〉と社内で通達されているんじゃないのかなーとさえ思うほどでした。そうかと思えば不意に携帯から電話があって話が進んだり。あれ??です。ともかく営業担当で社長の携帯番号からお電話頂けたので、その後の連絡は少しだけスムーズに取れるようになりました。直接携帯にお電話できたり、ショートメールでのやり取りもできるようになりました。お人柄の良さそうな社長だったので、私もお願い事をしやすく話しやすかったです。だけど心の中で「うんっ??」と思うことはなんどもありました。会社紹介のHPでは(あれもできる・これもできる)風に記載されていたのですが、実際は仕上げのパッキングなどは外注になるんだー。とか、これはできないんだー。とか、情報が少なかったりとか・・

早いタイミングで判断をしたほうが結果的には良かったと思いますが、当時は(せっかく最初に話を聞いてくれたこの社長の会社で作りたい)と義理立てしていました。情報が少ないところは自分なりに調べたり、用意できない物品を探したりしていました。容器のサンプルを送ってくださるも、お伝えした希望と全く違うサイズを送られてくるなど、コミュニケーションが成り立っていないように感じることもしばしばあります。社長にお願いして進めていたらどれだけ時間がかかるかわからないので「私が直接問い合わせてみてもいいですか?」と動いたりもしていました。(時間がかかりすぎる・伝えたことが全然伝わっていない。必要十分な情報がもらえない)と漠然と不安に感じてはいましたが、新たな会社を探す気持ちになれなくて方向を変える勇気が持てないでいたといったこともあるのだと思います。

 

元々大学生や一般の求職者に対して就労支援の講師もしていた私は「ビジネスメールはなるべく早く返信をすること。すぐに返答できない場合でもメールを受け取ったことを一旦伝えて検討後連絡します、などとしてください」とエラそうに伝えていましたが、現実には全然ちがう会社がこんなにあるものだと軽くショックを受けていました。いろんな会社にコンタクトを取る中で、いきなり上から目線での話口調だったり、一方的なアドバイス(私には受け入れられないような)をしてきたり、と、『なんで??』と不思議に思うこと、憤りに感じることがたくさんありました。(私の認識がおかしいの?)と何度も何度も考えました。 

私の場合、「このレシピでこんなリップを作りたい」という思いが最初にあり、どうしたらそれができるのか、との思いで動いていました。ですが、接する人の多くがアドバイスをなさるのです。(素人だからプロの話はちゃんと聞かなきゃ)と殊勝な気持ちで聞くのですが、次第に相手をよく見ることが必要だとも思うようになりました。相手がどんな人柄でどんな口調で、どんな仕事をしていてどんな経験があるのか。今まで携わった商品はどんなコンセプトでポリシーで作ったものなのかなどなどです。全ての人のアドバイスを聞いていたら全く方向性を失ってしまうからです。「こんなことがあった」「こんなクレームを出すお客さんがいた」「今はこれが受けるんです」などと言われすぎると、『もう何もできない!』と思えてくるほどです。そんな時に冷静に上記{相手がどんな人柄でどんな口調で、どんな仕事をしていてどんな経験があるのか。今まで携わった商品はどんなコンセプトでポリシーで作ったものなのか}をよく考えて自分で判断する強さが必要になってきます。その道のプロに渋い反応をされたり、ダメ出しされたり、時にははっきり否定されることもあります。今まで進めてきたことが全否定されるような思いにもなります。心をボキボキ折られるように感じていました。ですが相手はプロとはいえ、その方の経験の中から感想を持ち忠告しているのです。心を折られながらもそのアドバイスは自分にとって必要なものか判断していかなきゃ、と次第に理解してきました。起業をするということは時に孤独です。タフな精神力が必要です。

 

 

 

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