リップクリーム この容器に決まるまで・・③

2016.05.28

やっとの思いで覚悟を決めて、上限予算倍以上を受け入れてまで選んだその容器。

色合いやデザインはこの先決めるとして、容器とリップの中身の相性があり、繰上げ繰り下げの状態やその他を確認する必要があります。サンプルとして送ってもらった容器に今度はリップの中身を入れて試作をするのですが、ここでショックな出来事がありました。

「これ、直接充填タイプじゃないみたいだよ」リップ試作のNさんに言われました。

リップには型にはめて形成したリップを容器にはめ込む差し込みタイプと、液状のものを容器に直接流し込んで固める直接充填タイプがあります。私が作りたいのは直接充填タイプのリップ。イヤ━━o(>Д<#o≡o#>Д<)o━━! ここにきてこんなことになるなんて。

最初の最初に直接充填タイプの容器を探していることは伝えたつもりでした。その後沢山送ってくださった容器サンプルはいろんなものがあったけど、素人の私の見た目で直接充填タイプだなと判断してしまっていたのです。そしてそのことを重視しないまま、見た目だけで、感情で突っ走ってしまっていたのです。

容器会社のHさんにお電話して、「外観の見た目をそのままに、中身だけ直接充填タイプにしてもらえませんか?」ほぼ素人のミニマムロット(最低購入数)しか購入しない私の注文など相手にされないとは思いつつ、尋ねてみました。

Hさん、困ったように「うーん。できない・・ですね。」

Σ(・ω・ノ)ノ! そこそこ年齢を重ねている私。(物理的に不可能ではないはず。Hさんの判断では難しいのなら、ぜひ会社で検討してほしい)そんな風に思いました。

「あの・・私、どうしてもこれがいいんです。これで作りたいんです。これじゃないと嫌なんです。なんとか検討だけでもしていただくことはできないでしょうか?」

駄々っ子のようなお願いの仕方です。でもこれまでの経緯から私の思いを汲み取ってくださいました。「そ、そうですねー。わっ、わかりましたっ。開発の方に相談してみます。でも本当にできるかどうかはわからないです」Hさんのおっしゃりようから可能性は低いと感じました。でも待つ。あきらめたくない。お願いしますお願いしますなんとかお願いします。そんな気持ちで待ち続けました。

リップクリーム商品化に向けて動き始めて、待つことには慣れていました。所詮素人のわたし、相手にしてもらえるだけでもありがたい、そんな業界の空気感をいろんな箇所で感じてきました。

ここは一大事の正念場。急かして悪い結果なんて受け取りたくない。というかむしろ悪い結果だったら永遠に聞きたくない。聞くのが怖い。そんな気持ちさえありました。

(つづく→④)